映画記録(レビュー): 「PERFECTDAYS」2023.12.22公開

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🎞𝙏𝙞𝙩𝙡𝙚
#PERFECTDAYS[2023.12.22 .公開 124M]

💡𝙨𝙖𝙡𝙚𝙨 𝙘𝙤𝙥𝙮
こんなふうに
生きていけたなら

📕 𝙨𝙩𝙤𝙧𝙮
トイレ清掃員として働く男性は、
音楽や読書、写真を楽しみながら
平穏な毎日を過ごしていた。
そんな彼に、ある時
思いもよらぬ再会が訪れる・・・

🗣𝙘𝙤𝙢𝙢𝙚𝙣𝙩
〈☝️①:自らあえて選んだ別世界での日常〉

姪っ子のニコがスマホで木漏れ日を撮影したり
掃除をやってみたり
「お母さんにおじさんの話をすると
話を逸らされる」などいうので
最初は実の娘かなと思ったが
母親が迎えにきて
「兄さん」「お父さんもう
昔みたいなんじゃないから」というので
ほんとに姪っ子なんだなと明かされた。

ニコが実の娘なら平山には
何か前科があり今の生活を
過ごすしかないと考えられるが
ニコが姪っ子だからこそ
平山が今の生活をあえて自ら選択した
過去に繋がるのではないかと思った。

平山が妹から「こんなとこ住んでるの?」
「本当にトイレ掃除してるの?」と言われ
何も多くは語らず、ただ頷き
妹と姪のニコが立ち去り、涙を流していた。

ニコが気に入った本の内容
「支配的な母親と暮らす少年が
食用に買ったすっぽんをきっかけに
暴発してしまい
母親と暮らしながらも
自主性を圧殺され孤独に暮らす
少年の心理が描かれている」だそう。
その背景さえ分かれば
平山がどうしていまの生活を
今の仕事をして過ごしているのかが
分かったような気がする。

きっと平山もニコを迎えにきた妹と
同じように裕福な家庭で父親に抑圧されて生きて
なんらかの出来事をきっかけに
全く「違う世界」で生きることを
選択したのかな。

平山が選択したこの生活は
毎日外で落ち葉をかき集める音で目覚め、
トイレ掃除をして、
神社でサンドイッチを食べて
銭湯へ行き、お決まりのお店で晩御飯という
同じ繰り返しのなんでもない日々。
そんな自ら選んだなんでもない日々を
過ごせることに愛おしく感じながらも
やはり心の奥底でこの選択をした自分に
苦しさも持ち合わせている。
それを言葉なしで役所広司さんは
表情で感情を見事に表現されていた。

役所広司さんは日本映画界の宝です。

〈☝️②:固定観念の排除〉
どうしても公衆便所の清掃は
「汚いもの」と捉えられてしまう。
平山が掃除をしていて
子どもがトイレに閉じこもっていたから
助けて外に連れ出して
手を繋いで歩いていたら
その子の母親が急いでその子を連れて行き
ウェッティーで息子の手を拭き
平山にありがとうのひとこともなく
その場を立ち去ったのが胸が痛かった。
だけど、子どもは平山へ感謝していて
お互いに小さく手を振り合う姿が
可愛らしくなんだか泣けた。

公衆のものをいつも何不自由なく使えているのは
影の力があってのことなんだから
どんな仕事も差別せずに
受け入れることが大切だと感じた。

💃🏻𝙨𝙩𝙪𝙛𝙛 𝙖𝙣𝙙 𝙘𝙖𝙨𝙩🕺🏻
監督 : #ヴィムヴェンダース
脚本 : #ヴィムヴェンダース
#高崎卓馬
出演 : #役所広司
#柄本時生
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